web抄読会(1)

京都府立医大の本宮 久之といいます、みなさん初めまして。

管理人さんにそそのかされまして、何かブログを・・・といったところで何かいいブログ材料になるものを、と探していたのですけれども、web抄読会なんていいんじゃない?という話になり、やってみようということになりました!

くれぐれも最初にお伝えしておきたいのですが、私は決してacademicなtypeではなく、むしろ自分を戒めるためにこの文章を書いており、おそらく皆様からはすさまじいツッコミを受けることもあるかもしれません。むしろ色々つっこんでください(どMじゃないですよ)。あと、ブログたるものに慣れていないのでそこもご勘弁を・・・

最初に選ぶのは何にしようか迷いましたが、管理人様がStanfordに留学されているという話ですので、これにしてみました。

Programmatic Approach to Management of Tetralogy of Fallot With Major Aortopulmonary Collateral Arteries A 15-Year Experience With 458 Patients

Holly Bauser-Heaton, MD, PhD; Alejandro Borquez, MD; Brian Han, MD; Michael Ladd, MS; Ritu Asija, MD; Laura Downey, MD; Andrew Koth, MD; Claudia A. Algaze, MD, MPH; Lisa Wise-Faberowski, MD; Stanton B. Perry, MD; Andrew Shin, MD; Lynn F. Peng, MD; Frank L. Hanley, MD; Doff B. McElhinney, MD

Circ Cardiovasc Interv. 2017;10:e004952. DOI: 10.1161/CIRCINTERVENTIONS.116.004952.

TOF/PA/MAPCAについての文献ですが、さすがstanford・・・458例って単純にすごいN数でびっくりしました。。。

手術のアルゴリズムがfigure.1に示されています。基本的には条件があえばone-stage complete repairを行う。それにあたっては術中のflow studyによってVSDを閉じるかどうか判断する、という有名なstrategyです。
figure.2がall patientsおよびfirst surgeryをLPCHで行なったpatientのflow chartになっています。これは僕も思うことですが、この疾患群についてはやはり集約化して同一施設で最初から最後まで見た方がよいと思います。特に日本のような施設が多い国においてはそのように思います。なかなか転居や里帰り出産などそういかないこともあるんでしょうけれども・・・
Tableの貼り付け方がわからなかったので、画像として出せていませんが、first surgeryをLPCHで行なった患者では5.4ヶ月でcomplete repair、CPB time medianで260min、2.3年のfollow upでPA/Ao圧比が0.35!
totalでは圧比0.40ですがそれでも素晴らしい値かと思います。
やはりcomplete repairにもっていける症例は予後も良い、というのがデータでも示されています
また、染色体異常がない方が(当然ですが)予後が良く、RV:Ao ratio < 0.35のものは10年生存率90%台後半と良い値です。confluentとnon-confluentでは長期的にはほとんど差がないというのは面白いですね。
re-intervention free rateについても興味があるところですが、それはまた別の論文で。
とりとめもなく書いてみましたが、回数を重ねてどんどんブラッシュアップできれば良いなと思っています。
最後は、したーって言わないとダメなんでしたっけ?管理人さん〜

hongu先生の最新記事8件

>小児心臓外科医オンライン勉強会のお知らせ

小児心臓外科医オンライン勉強会のお知らせ

小児心臓外科医の先生方、または先天性心疾患に関わる全ての医療従事者のみなさま 日本時間で毎週土曜午前11時より1時間程度の勉強会をオンラインで行なっています。 アーカイブをYouTubeに残していますので、ご視聴の上、興味がある方は問い合わせフォームにて管理人までご連絡ください。 日米の小児心臓外科医が毎週たくさん参加しています。学会とは違って緩く楽しく継続しています。

CTR IMG