【忖度なし!】最新ヘッドカメラ使用レポート

へい、らっしゃい! オペざんまい岡村です。

 

先日、最新の手術用ヘッドカメラ「FASPRO」をご紹介しましたが、今回は実際に管理人が購入して手術で使用したので、使用感に関して心臓外科医の立場から忖度なしのレポートをします!!!

 

もちろんCOIはありません。

 

関連記事

へい、らっしゃい! ご無沙汰してます。オペざんまい岡村です。 ここ数年、手術用ヘッドカメラを色々模索している中で見つけた、最新かつコスパ最強のヘッドカメラを紹介します。 ちなみに、COIは全くあり[…]

 

まずは結論を言うと…

「買って大正解!あり中のあり!!」

でした!!!

 

以下の静止画は動画を一部スクリーンショットしたものです。

 

諸事情で動画のアップはできないので、実際の手術動画を見たい方は、問い合わせフォームに連絡いただくか、okamurakアットマークopezanmai.netまでメールをいただければ、動画のリンクを個別に送らせていただきます。

 

 

 

 

 

それでは早速、管理人が感じたFasproのメリット・デメリットを語っていきたいと思いまーーーーす!

 

 

 

 

Fasproの良い所

メリット① 高画質!

なんと言っても、まずは画質が重要でしょう!!

 

上記の画像はスクショなので解像感がやや落ちていますが…

それでも初期設定のまま撮影した、いわゆる撮って出しの画像なんですけど、かなり画質・色味が良くないですか??

 

色調も、実際の感じとほとんど変わらないと思います。

 

また、電気メスによる干渉を全く受けていなかった点も、かなりポイントが高いです!

 

過去に管理人が使用したことのある手術用ヘッドカメラは、術前にマニュアルでホワイトバランス・露出・コントラストなどをアプリケーション上で調整が必要だったり、電気メスの干渉を受けてしまい正直使えない画像だったりしたので、撮って出しで安定した動画を撮影できたのは本当にありがたい限りです!!

 

 

メリット② 完全ワイヤレス!

手術室での機動力を考えると、これまたかなりポイントの高い機能が、完全ワイヤレスになっていることです!

 

手術用ヘッドカメラの業界では、いまだに有線のヘッドカメラが主流ですが、有線の場合、ノートPCの持ち込みが必要だったり、手術開始前に外回りの看護師さんにケーブルの接続をお願いしなければいけなかったり、自分が動く場合にはケーブルの抜き差しが必要になったり、撮影中に誰かがケーブルに足を引っ掛ける可能性があったりと、正直いいことはありませんでした。

 

一方、完全ワイヤレス型のヘッドカメラだと、自分の外側にケーブルは出ていないので、これらの懸念が一切なくて、準備が楽ちんですし、術中にケーブル関連のトラブルに見舞われる心配もありません。とにかく最高です。

 

最近では、XenosysのヘッドカメラLooksCam2だったり、いくつかのメーカーで完全ワイヤレスの手術用ヘッドカメラが出ていますが、30万円弱という手術用ヘッドカメラとしては最安の価格帯で完全ワイヤレスというのは素晴らしいです(LooksCam2はメーカー希望価格195万円😭)。

 

しかも、付属の無料アプリケーションを使って、iPadなどのタブレットに動画をWiFi経由でプレビューしながら撮影できるので、コメディカルの方や医学生さんの見学などにも有用でしょう!

 

 

メリット③ オートフォーカスが優秀!

今回、管理人的に一番気になっていた機能が、オートフォーカス性能でした。

管理人が知る限り、現状発売されている手術用ヘッドカメラでオートフォーカス機能を搭載しているのはLooksCam2だけだったので、とても高くて買えませんでした。

 

なお、従来のマニュアルフォーカスカメラは、術前に物理レンズの焦点距離を拡大鏡と合わせておく必要があって面倒な上に、自分の顔が術野に近づいたり遠ざかったりしてレンズの被写界深度を超えた場合には、ピンボケして全く使えない画像になってしまうということがありました。

 

そんな心配を払拭してくれるのが、オートフォーカス機能です。

この機能が優秀であれば、せっかく撮影した画像が肝心な局面でピンボケして使えないという事態が避けられます。

 

実際、使ってみてオートフォーカス性能は、実用上必要十分であることがわかりました。

正直、自分の目で観る限りは、なんの不満もありません。

 

 

さらに今後はLoupeCamの最新作でもオートフォーカス機能を搭載するモデルが発売されるようです(アメリカで11〜12月発売予定)。

 

 

メリット④ USB給電可能なので何時間でも撮影可能!

Faspro購入前の唯一の懸念点が、フル充電で3〜5時間という撮影時間でした。

 

我々、心臓血管外科では5時間を超える手術はザラにあるので、撮影時間が短いことは致命的だなぁと思っていましたが、購入前に問い合わせをして、USB給電しながらの撮影が可能であることがわかり購入に至りました。

 

なので自分は、Faspro購入に併せて、Amazonでモバイルバッテリーとバッテリーを入れるための小さなヒップバック(ウェストポーチ?)を購入しておきました。

 

実際の手術では、下記画面の後頭部のところにあるUSB type Cポートにモバイルバッテリーを接続して、それをヒップバックに入れて撮影を行いました。

 

ちなみに、内蔵メモリ128GにFull HDで22時間、HDで33時間撮影が可能です。

これだけあれば、大概の手術は問題なく撮影できますね。

(*この画像のファスプロは古いモデルで、現行モデルではカメラとライトの上下位置が反対です。また、本体とカメラを繋ぐ軸?の部分は最新のモデルでは少し短くなっていて取り回しが改善されています。)

 

 

 

メリット⑤ カメラ本体・アプリケーションの操作性・安定性が良い!

実機が届いてみて、操作がめちゃくちゃ簡単だったのも、かなり好印象でした。

特に説明書など見ることなく、セットアップが完了してすぐに使い始めることが出来ましたし、無料の付属アプリケーションも日本語対応していて操作がわかりやすかったですし、先日6時間ほどの撮影を行いましたがアプリが落ちるなどのトラブルは一切なく安定して撮影・プレビュー表示ができていました。

ワイヤレスタイプのカメラの場合、万が一アプリが不安定だったら致命的なので、本当に安心しましたね。

 

 

メリット⑥ 付属品が充実&コスパ最強!

| Ciモールは歯科、技工所向けの材料・器具・用品のほか、動物病院、介護施設、一般医院やナース向けの商品を扱う医療用品…

このリンクに掲載されているように、ハードケース・Blutoothフッドペダル・USBケーブル2本・予備バッテリー・SDカード(本体内蔵)が付属されていて、30万円弱という価格帯は、何度も言いますが手術用ヘッドカメラとしては価格破壊的に安いと思います!!

 

という感じで、メリットは以上です。

 

 

 

 

ここまで散々褒めちぎってきましたが、管理人が実際に使ってみて気になる点もしっかりコメントしたいと思います!!

 

Fasproのいまいちな所

デメリット① 付属ライトがかなり弱い

これは最大の弱点だと思います。

ライトの明るさを3段階で調整できますが、MAXの明るさにしても、自前のDesign For VisionまたはXenosysのヘッドライトの弱よりも遥に弱い光量でした。

まぁ、ないよりはましという程度です。

なお、”ライトなし”のモデルも以下のサイトの通り、販売されています。

ただ、購入に際して”値段は同じ”と言われたので、自分は”ライトあり”を購入しましたが、正直ライトをなしにして、少しでも重量が軽いほうが良かったかなぁと今は思っています。

 

 

デメリット② 250gは長時間手術で首にくるかも

250gという重さはなかなか微妙で、つけ始めは全く違和感なく手術を行えていたんですが、3〜4時間経った頃から重さを感じるようになり、自分は首が凝ってしまいました💧

たぶん、人によっては全然気にならない人もいると思いますので、ぜひ実機を触ってみて検討してください。

重さが気になる方は、ライトなしのモデルが198gと多少は軽くなっているので、そちらを購入するのがいいかもしれないです。

 

 

デメリット③ 手ぶれ補正機能はない

Fasproは液体レンズ・オートフォーカス・完全ワイヤレスと、最新機能を搭載している手術用ヘッドカメラではありますが、最近のヘッドカメラに搭載され始めている手ぶれ補正機能は残念ながら搭載されていません。

 

実際に撮影した手術動画を見たい方は、冒頭の案内の通り管理人まで連絡をください。

 

個人的には、自分の手術動画を見る限りは、手ぶれ補正がなくても、酔うような画像では全くないように思います。

 

手ぶれ補正機能に関しては、今後に期待しましょう。

 

(2021/10/19追記)ちなみに、管理人は動画編集ソフトDavinci Resolve 17を使っていて、ソフト内に手ぶれ補正機能が備わっているので、よっぽど酷い揺れを伴う画像の場合には、編集ソフト内で補正しています。現在では、大抵の動画編集ソフトには手ぶれ補正機能が付いているので、皆さんも是非試してみてください。

 

デメリット④ 4K動画撮影はできない

これに関しては個人的には大きなデメリットではないですが、最近のヘッドカメラでは4K搭載のものがいくつか出てきているので、時代の流れ的に求められるのかなとは思います。

ラパロの動画は4Kが当たり前ですしね。

ただ、結局は動画編集が重くなるので、学会発表などで使うだけならば、Full HDもあれば十分な気もしています。

 

 

 

というわけで、今回は次世代型手術用ヘッドカメラFasproの実機レポートをしてみました!

気になった方は、販売先のCiメディカルさんに是非是非問い合わせしてみてください!!

 

したーっ

 

>ブロガー求む

ブロガー求む

心臓血管外科の先生方へ。 このサイト内でブログを書きませんか??先生方の日常は、学生さんや研修医の先生にとって大変参考になると思います。投稿は月1回でも、何なら年1回でも構いません。止めるタイミングもお任せします。内容についても仕事・勉強・プライベートなど何でもござれです。ご希望される先生はコチラへ↓↓↓

CTR IMG